【レンズレビュー】Tamuron 17-35mm F/2.8-4 Di OSD(Model A037)
1.はじめに
前回、開梱の儀で取り上げましたTamuron 17-35mm F/2.8-4 Di OSD(Model A037)のテスト撮影をして来ましたので、前回のレビューで足りなかった基本スペックの確認と使用した感想などを報告いたします。
前回の開梱の儀
https://bluewhale.hatenablog.jp/entry/2018/12/08/111847
2.製品の特徴及び仕様について
(1)特徴
① 広大な風景を隅々まで鮮鋭に切り撮る高い描写性能
② 優れたコーティング技術と独自のゴースト解析シミュレーション技術が可能にした高い逆光性能
③ OSD(Optimized Silent Drive)採用により、快適なAFと駆動音低減を両立
④ 丸ボケを美しくする円形絞りの採用
⑤ 簡易防滴構造を採用
⑥ 防汚コートを採用し、レンズの利便性を向上
⑦ 別売りアクセサリーのTAMRON TAP-in ConsoleTM (タップ・イン・コンソール) に対応
⑧ ニコン用に電磁絞り方式を採用
(2)仕様
① 焦点距離・・・17-35mm
② 明るさ・・・F/2.8-4
③ 画角・・・103°41'-63°26' (フルサイズ)
④ レンズ構成・・・10群15枚
⑤ 最短撮影距離・・・0.28m (ズーム全域)
⑥ 最大撮影倍率・・・1:4.9 (f=35mm)
⑦ フィルター径・・・Φ77mm
⑧ 絞り羽根・・・7枚 (円形絞り)
⑨ 最大径・長さ・質量・・・Φ83.6mm・92.5mm・460g
細かい製品の特徴や仕様はTAMURONのホームページを参照願います。
https://www.tamron.jp/product/lenses/a037.html
3.外観について
鏡筒はハイクオリティなプラスチック製。
全体的な造りは良好で、ズームリング、ピントリングの動きはスムーズ。
スイッチ類はAF⇔MF切替スイッチのみと非常にシンプルな外観となっています。
被写界深度目盛りや手ブレ補正機能はありません。
4.コンセプトについて
Tamuronのコンセプトにも記載してありますが、『この美しさと、どこへでも。』とあります。
その内容として『高画質を軽快に。超広角に新たな価値観。』『気軽に持ち出せるコンパクトな超広角ズーム』と記載されています。
手に持った感じでは、他の広角レンズと比べて非常にコンパクトで軽いと感じました。
これで写りが良ければ『この美しさと、どこへでも。』と一致すると思いました。
また、私のコンセプトである『D850をもっと使いたい、持ち出したい』にも合うレンズだと確信して購入しました。
5.実際に使ってみて
(1) OSDについて
新型のAF駆動ユニットOSD(Optimized Silent Drive)は、とても静かで高速で、AFの精度も問題ないです。
D850のサイレントシャッターと組み合わせて使えば、静かな環境での撮影時には強い味方になると思います。
ネットで調べても出ていなかったので、D850で撮影して確認してみました。
① f2.8・・・17-20mm
② f3.2・・・21-24mm
③ f3.5・・・25-30mm
④ f4.0・・・31-35mm
(3) 本体とのバランス
軽いのは良いことですが、D850と合わせるとD850が重く若干アンバランス気味となってしまいましたが問題になるレベルではありません。
(4)手ブレ補正について
風景撮影時には、MFで使うため手ブレ補正は不要と判断しましたが、最近は三脚・一脚禁止の場所が増え...EF 16-35 f4L ISと比べてみましたが、やはりあった方がBetterと感じています。
(5) マニュアル撮影時のピントリングについて
使ってみて一番気になったのは、ピントリングが軽すぎる!
特に寒い冬のテストでしたので、軽すぎるピントリングには、少々残念でした。
(6) 画質等ついて
① 色収差
画面周辺までしっかりと抑えられており、パープルフリンジも無いです。
② 色乗り
サンプル写真を見てもわかりますが、色乗りが濃くメリハリが効いています。
③ 解像度
画面中央は素晴らしいシャープですが、四隅でも十分シャープです。
④ 歪み
17mmの撮って出しでは建物の歪みが少し気になりますが、後補正で対応できます。
他の焦点距離でも多少は歪みますが気になれば後補正で対応かなと思う程度です。
⑤ 逆光性能
太陽をフレームに入れて撮影しても、ほんの少しゴーストが出る程度で、画面全体のコントラストが大きく落ることがない。
(7)使用した感想のまとめ
①良い点
●解像度が高い
●逆光性能が高い
●ズーム全域で良好な性能
●レンズ鏡筒は簡易防滴仕様
●17-20mmまでf2.8
②無くても困らないが有った方が良い点
●距離目盛り・被写界深度目盛りがない
●AFモードでマニュアル調整ができない
●手ブレ補正が無い
③悪い点
●ピントリングが軽すぎる
5.おわりに
ピントリングが軽すぎる以外は、私にとっては特に問題になることもありません。
D850の高画素に対しても、広角ズームレンズとしては画面周辺までの画質も十分であり、コンセプトどおりの製品であると感じています。
出目金レンズと異なりレンズ保護フィルターも使えるメリットもあり、歩きながらの撮影で前玉を気にしなくて楽になりました。
また、角形フィルターも100mm幅が使えるので、お得です。
1kg程度のSP 15-30mm F/2.8 Di VC USDと比べて、クラス最小・最軽量を追求した17-35mm F/2.8-4 Di OSDは少しでも荷物を軽くした時には最良のレンズと言えます。
また、夜景や星景撮影など歩く距離が多い時には、この軽さとよく使用する画角17-20mmがf2.8の明るさが武器になります。
今まで以上にD850を持ち出して撮影できそうです。
撮影サンプル(全てフィルターレス)
① 手持ち撮影(明るい屋外)
17mm F5.6 ISO1250 SS1/80
② 手すりで補助で手持ち(明るい屋外)
17mm F2.8 ISO100 SS1/8
③ 手持ち撮影(室内)
17mm F5.6 ISO1250 SS1/80
④ 手持ち撮影(屋外)
17mm F2.8 ISO450 SS1/20 手持ち
⑤ 三脚固定(屋外)
太陽を入れてみましたが気になるフレアやゴーストは無いです。
BBARコーティングの効果が大きく逆光に強い印象です。
17mm f2.8 ISO100 SS1/1600
⑥ 三脚固定(屋外)
17mm f2.8 ISO100 SS1/500
20mm f2.8 ISO100 SS1/500
24mm f3.2 ISO100 SS1/500
28mm f3.5 ISO100 SS1/500
35mm f4.0 ISO100 SS1/500
【撮影機材】
D850
Tamuron 17-35mm F/2.8-4 Di OSD
SLIK カーボンマスター 724 + SIRUI G-20X