Diy❷ ガッカリからニッコリへ Cokin X499N 迷光対策(カメラ側からフィルターへの反射光対策)
1.はじめに
今回のお題は、角形フィルターを使って16mmや17mmよりも広く綺麗な景色を撮影したい。
そんな時は、Cokin XLサイズフォルダ B100Aを出目金レンズに装着する時に必要なユニバーサルリングX499Nを使います。
しかし、この組合せで撮影すると、大きな問題が発生してしまいます。
大きな問題点とは、標題で書いていますが迷光です。
いろいろなサイトを見回りましたが...良さそうな解決策は出ていませんでした。
たぶん、X499Nを使用して昼間のスローシャッター撮影で苦労している方は多くいると思います。
また、対策が手間で撮影時間を削られてしまうために手離してしまう方もいるのではないかと思っています。
今回は、私なりの解決方法について紹介いたします。
2.問題点
高濃度NDフィルター(ND1024)を使用しスローシャッターを使う場面で、カメラ側のユニバーサルリングとレンズの隙間から入った光がフィルターに反射しレンズに入り写真にそのまま写ってしまいます。
これでは、全く使えない写真となってしまいます。
※カメラ側からの光がフィルターに反射しカッコ型の迷光状態になるイメージです。表札等を個別にモザイク入れるのも大変なので全体をボカしてあります。
カメラ側からレンズとユニバーサルリングの隙間を通して光が入り、フィルターに反射した光がしっかりと写りこんだ状態です。
綺麗な景色を写しても...この状態ではトホホですね。
3.対策案
① 黒い遮光布でレンズを覆う
② X499Nを改造して迷光をカットする
③ NiSiかKANIの150mmシステムを使う
手持ちのNiSi S5 PRO CPLキット Tamron 15-30mm f/2.8を使えばND系は解決しますが、せっかく揃えた130mm幅の色彩系のフィルターがNiSiやKANIの150mmでは使えないので却下
④ 16mm前後のフィルター枠が使用出来るレンズを使って我慢する。
Canon EF 16-35 F4L IS、Tamuron 17-35 F/2.8-4 Di OSD A037などがあります
Canon 16-35 F4L ISを使った記事
https://bluewhale.hatenablog.jp/entry/2018/12/07/085214
https://bluewhale.hatenablog.jp/entry/2018/12/11/230031
Tamuron 17-35 a037の記事
https://bluewhale.hatenablog.jp/entry/2018/12/08/111847
【H30.12.29追加】
https://bluewhale.hatenablog.jp/entry/2018/12/29/220528
しかし、これも今回の広い範囲を撮影したいって希望から外れてしまうため却下
4.試行
X499Nを改造する前に、最も簡単な対策として黒い遮光布でレンズを覆う方法を試してみました。
黒い遮光布でレンズを覆って撮影してみました。
かなり、改善されましたが...どうしても隙間からの迷光が残ってしまいます。
また、布の位置合わせなど時間がかかる割に使えない写真が大量生産されてしまいます。
5.対策案 その2
① 遮光布を増やして対策をしてみる。
② X499Nを改造する
6.試行 その2
布を増やして対策するとかなり改善しましたが、手間が増えフォーカス調整などを行う時は、はじめからやり直し...
この方法は諦めました。
7.対策案 その3
X499Nの改造!
もうこの方法しか思いつかない。
8.準備したもの
① Tamuron 15-30mmの最大径以上のアダプタリング(112mmを使用、105mmは微妙でした)
② φ112mm前後の厚手のレンズポーチ(Canon LP1224)
③ 両面テープ
④ 接着剤
⑤ 隙間テープ(3mm厚)
⑥ ダブルクリップ
⑦ フリーバンド 幅3cm×48cm 【H31.1.2追加】
9.製作手順
① LP1224の底をカッターで切る
② 112mmアダプタリングのネジ部とLP1224を接着剤で固定
接着剤が乾くまでダブルクリップで固定
③ 接着剤が完全に乾いたらクリップを外す。
④ X499Nに両面テープを貼り112mmアダプタリングと接着する。
※ 剥がせる様に弱粘着両面テープを使用しましたが、手では外せなくなってしまいました。マイナスドライバーで無理矢理外せば取れると思いますが、傷でボロボロになってしまいそうです。
したがって、接着剤で固定した方がより隙間が無くなります。
⑤ リング内側にスポンジテープを貼る(今回は3mm厚使用)
使用するレンズの隙間を減らす目的とレンズをセンター位置に合わせやすくする効果があります。
⑥ X499Nのネジを8本取り付ける。
⑦ レンズに装着し易くする為にポーチ部分を折りたたむ。
⑧ B100AとX499N改を組合せる。(B100A改)
※出目金レンズのフードが邪魔で後からB100Aを装着できないので先に組合せします。
⑨ レンズにB100A改を装着する。
装着後に紐をしめる
紐を締め易くする為にコートなどで使用していた物を流用しました。
⑩ B100A改の位置をレンズ中心に来るように位置を微調整する。
B100A改の位置をレンズフードに干渉しないように位置を微調整し完成。
※フォルダと第1スロットの隙間が気になります
【装着動画】
https://instagram.com/p/BrvJg64gWD_/
9.考察
今回は、迷光対策が必要かもしれないと思って購入しましたが、他のブログなどで検索しても大きな問題になってる記事は無く、工夫をすれば何とかなると楽観視していたのも確かです。
迷光問題もある程度の構想はしていましたが、実際に材料を揃えようとすると、アダプタリングの在庫が無いなど入手するのが大変でした 。
また、遮光布は手芸屋でカーテン生地を購入してみましたが...ミシンの操作で苦戦して諦めかけた時にCanonのレンズポーチを日光にかざした時の遮光性に感激して丁度良い寸法のLP1224の底をカットしました。
私は、他のレンズでも使用したい思いと、見た目を良くしたいとの思いでこの組合せにしました。
他のレンズ装着例
D850+Samyang 14mm XP f2.4
※ 14mmではフィルターが1枚しか利用できません。また、130mm幅のフィルターではギリギリのためケラレが出る可能性もあります。
※14mm縦位置方向なら1枚使用時はケラレはありません。
結果的に、装着も簡単でレンズ側からの迷光問題は解決し、ズームリングやピントリングを触っても再設定の必要もない物が完成しました。
※レンズによっては紐を締めすぎるとリングが回らなくなる場合もあります。
※ 今回のテスト撮影には影響ありませんでしたが、フォルダと第1スロットの隙間に垂直方向から来る光には何かしら対策が必要かもしれません。
※追加テスト(撮影サンプル その2)してみましたが、太陽の位置によってはフォルダとフィルターの隙間からの迷光対策が必要です。
【H31.1.2 追記】
100均で売ってた自在バンドをフォルダの外周に巻く事で問題解決しました。
X499Nとレンズの隙間を上手く塞ぐだけで迷光対策は解決出来ます。
例えばダンボールや厚手の黒いプラ板などを加工する方法もあると思います。
皆さまも、アイデアを生かしより良い角形フィルターライフを楽しんでください。
【撮影サンプル】
① F8 ISO100
フィルターレス SS1/250
NDX1024使用 SS2秒
② F11 ISO100
フィルターレス 1/100
NDX1024使用 6秒
【撮影風景】
天気:晴天、太陽の位置:後方とカメラ側からの迷光実験には最適な環境で撮影しました。
【撮影サンプル その2】
フォルダとフィルターの隙間から太陽光が直角近くに入り条件でテストしてみました。
フィルターレス SS1/100
フォルダとフィルターの隙間から迷光あり
NDX1024 3秒
フォルダ部に黒い布を被せてフォルダとフィルターの隙間からの迷光対策をしました。
NDX1024 4秒
【撮影風景 その2】
【撮影機材】
D850
Tamuron 15-30mm f2.8 Di VC USD(A012)
SLIK カーボンマスター 724 + SIRUI G-20X
Cokin EVOフィルターホルダーL BZE01
Cokin NDX1024
Cokin B100A+X499N改
KAN カメラ用 ラッピングクロス 44 x 45cm